会社は誰のもの |
寒かった冬も終わりを告げ、気が付けば桜の花が咲く季節になりました。新年度、卒業式、入学式等、街でも新しい息吹が出てきています。 さて最近、毎日のようにライブドアとニッポン放送、フジテレビの報道がされています。上場企業の持ち株割合をめぐる壮絶な知能戦や訴訟合戦、まるでK-1やサッカーの試合を中継しているような報道、企業における株主の位置付けを改めて考えさせられます。この件において、ライブドアは株主であり、ニッポン放送は、企業経営者(取締役)です。企業は、株主、経営者、従業員、顧客を始めとする様々な利害関係者で構成されています。 では会社の最高意思決定機関は何でしょうか。それは社長ではなく、監査役でも従業員でもなく、株主総会です。つまり株主から出資された資本を元に株主総会で経営を委託された取締役が取締役会を構成し、その取締役会から代表取締役が選出され、会社を代表して業務を執行していくのです。その意思決定機関である株主総会は、定時または臨時に召集手続きを経て開催されます。株主総会での意思決定の権限は無限ではなく商法に定められた事項に限られます。 このようなことを考えると、株式を公開するリスクや同族会社において取引先等の第三者に議決権のある株式を所有させるリスクを十分考慮しなければならないと思います。 |
( 福 田 ) |
働くとあなたの年金はこうなる!(平成17年4月以降) |
現在、多くの企業では、定年を60歳と定めています。しかし、60歳といってもまだまだ元気に働ける方が多く、会社としてもその技能や知識を活かしたいと考えているのではないでしょうか。そこで、高齢者の雇用維持・促進のため、厚生年金の在職老齢年金や雇用保険の高年齢雇用継続給付制度があります。 しかしご存知の通り、給与と老齢厚生年金、高年齢雇用継続給付金が単独でもらえる訳ではなく、この3つの収入は、複雑な計算式によって互いに調整されています。給与と年金と高年齢雇用継続給付の3本立てを上手く活用すれば、本人の手取額を減らすことなく、会社の負担額を大幅に減らすことができます。 今回は60歳台前半の在職老齢年金について説明します。年金を受給できる年齢になっても、働いている場合(厚生年金に加入)は、在職老齢年金が適用され、年金が減額あるいは全額支給停止になります。 平成17年4月からは、在職老齢年金の一律2割支給停止が無くなります。そして、年金月額と総報酬月額相当額との合計が28万円以下の場合は、在職し厚生年金に加入しても年金が減額されることがなくなります。 ※年金月額=年金額÷12ヶ月 ※ 総報酬月額相当額=その月の標準報酬月額+{(直近1年間に受けた賞与額)÷12} ※ 年金の支給停止額の計算式における支給停止調整開始額(28万円)と支給停止調整変更額(48万円)が毎年度、物価スライドにより自動改定されます。よって、17年4月以降は毎年度変動することとなります。 負担は上がって給付は下がる最近の法改正にあって、年金受給者やこれから年金を受ける人には久々の朗報です。例えば、今まで年金月額12万8千円、給与月額15万円の人は2割カットされていましたが、平成17年4月からは満額支給されることになります。このように年金が満額支給されることになり、これまで全額支給停止で加給年金も支給停止されていた方も、2割カットが外れてわずかでも支給額が出れば、加給年金が満額支給される方も出てくるはずです。 |
固定資産税に不満はないですか?? |
皆様が負担されている税金の一つに固定資産税が挙げられます。 固定資産税は土地・家屋・償却資産を所有している者が課税され、市区町村が納税額を決定・通知する賦課課税方式を採っています。皆様のお宅にも納税通知書が送られていることと思いますが、皆様はその納税通知書をよくご覧になっていますか?納税通知書には税額以外にも様々な情報が載っています。その情報の一つに「賦課に不服がある場合における救済の方法」があります。 固定資産税は、法人税・所得税・消費税に代表される申告納税方式と異なり、市区町村が税額を一方的に確定する賦課課税であるため、その税額等に不服がある場合に救済することが重要となってきます。固定資産税には大きく分けて二つの救済方法があります。 (1)固定資産の評価額に不服がある場合の救済方法 固定資産税は基本的に「固定資産税評価額×税率」によって計算されるため、評価額の大小は税額に直接影響してきます。この固定資産の評価額が適正かどうかを、納税義務者が判断することができるように、固定資産税では「土地価格等縦覧帳簿・家屋価格等縦覧帳簿の縦覧制度」と呼ばれる制度があります。これは、自分が持っている土地・家屋と似た状況にある土地・家屋の価格等を見ることが出来る制度で、これにより自分の持っている土地・家屋の評価額と、他人の持っている土地・家屋の評価額とを比較することが出来ます。その比較等を通じ評価額に不満がある時は、固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることが出来ます。その後、審査の結果によっては固定資産評価額が修正されることとなります。 (2)固定資産税の税額そのものに不満がある場合の救済方法 これは、納税通知書に書かれている固定資産税額に不服がある場合に市町村長に不服の申立が出来る制度です。この場合は、不服が通れば固定資産税額そのものが訂正されることとなります。 固定資産税に関する不服の救済方法としては上記の二つが挙げられるのですが、固定資産税の特徴に留意した節税の方法は他にも考えられるかと思います。 例えば、固定資産税は1月1日現在に登記されている土地・家屋(償却資産は申告したものが課税対象となるので、この場合は除きます)が課税対象となるため、12月に家を建てられるより1月に建てられた方が一年分固定資産税が安くなります。 上記の他にも、状況によっては上手な節税方法が考えられるかと思いますので、一度納税通知書をよく見てみるのはいかがでしょうか? |
『海賊』多発地帯? | ||||||||||||
「海賊」なんて言葉を聞くと、物語の話かマンガに出てくるドクロマークを旗印に眼帯をして、いかにも悪党面というイメージが沸いてきます。しかし、この3月に日本の作業船がマレーシアとインドネシアの間にあるマラッカ海峡で海賊に襲撃されるという事件が発生しました。幸いにも、人質として連行された3人の方は無事に解放され人的被害は受けませんでした。この事件が発生したことにより、にわかに海賊という言葉がニュースに出てくるようになりました。では実際にどれくらいの船舶が世界で被害にあっているのか。03年では年間400件以上発生していると公式な機関の発表で示されていました。非公式な事件なども多数発生している為、年間5~600件近くはあるのではないかと思われます。海賊といっても、一体どういう組織が海賊になっているかと疑問に思うのですが、国際会議所の国際海事局の分類によると
実際に、海賊になる3つのパターンがあり、ひとつは貧困層、漁師などが海賊に早変わりする。もうひとつは世界のテロ組織の一部が資金稼ぎで動く。軍崩れの不良部隊が一攫千金の金儲けに動く場合もあり、やはり日本の船舶が襲われるのは大半が東南アジア海域かマラッカ海峡圧倒的に多いようです。マラッカ海峡は、欧州、中東を結ぶ最短で安価にあげる航路、海峡も浅瀬や複雑な地形で船舶はスピードダウンせざるを得ないので襲撃にあう確率が高いようです。しかし、日本の船舶は武装していないため狙われ易いようですが、事件が中小型船舶から大型船舶の原油タンカーや資源に及ぶと日本経済にも影響を与えかねないと思います。 |