ふるさと納税 |
最近、新聞やニュ-ス番組でよく取り上げられているのが『ふるさと納税』。 住民税の最大一割を限度として、納税者が自分の故郷や好きな町に納税場所を選択できるという制度です。 効果としては最大約1兆2千億円の住民税という財源が主に都心部から地方へ移ると見られ、生まれ育った町や思い入れのある土地に税収という形で恩返しが出来るというものです。 マリナ-ズのイチロ-選手は神戸のオリックス時代、住民票の住所は当時住んでいた神戸ではなく、出身地である愛知県の実家にしていたそうです。 これは「せめて税金を納める場所は自分で選びたい、育った町に貢献したい」という思いからだそうです。 おそらく税収が下がると思われる東京都の石原都知事は反発していますが、東京都と沖縄県では一人当たりの地方税の税収格差は3.2倍もあり、東京一極集中の格差是正の効果も期待できます。 今後ますます議論が活発化し、より具体的な情報が明らかになってくると思いますが、7月の参院選のための選挙対策法案として利用されている感があり、選挙後尻すぼみになる可能性もあります。 個人的にはおもしろい試みだと思います。 納税地を選ぶということは納税意識を高める効果にもつながりますので、サラリ-マンの方など一般の方々にも税に関心をもってもらう、よいきっかけになればと思います。 |
( 安 達 ) |
会社と相続税 |
このタイトルを見て「会社に相続税?会社には法人税でしょ!」と思われた方もいらっしゃるでしょう。 確かに会社に対して(会社のもうけに対して)課される税は法人税です。 しかし会社を運営する上で、特に同族会社を運営する上でその会社と相続税とは密接に関係性を有することとなります。 同族会社ではオーナー経営者とその家族が会社の株式のほとんどを保有しているケースが大いに見受けられます。 例えばオーナー経営者が自社の株式100%を保有している場合を考えてみましょう。 そのオーナー経営者に相続が発生した場合、残された家族が相続税を考える上で問題となることは何でしょうか? 「相続税の基礎控除は<5000万円+1000万円×法定相続人の数>だから、あの土地とあの建物、あと定期預金を合計しても3000万だから相続税は大丈夫!あとあの人は株取引もやってたっけ?どうせたいした金額にはならないでしょう……。株?そういえばウチの会社の株もあったわね…これもどうせたいした…えーっ!評価額が5000万円!?」 会社が発展すればその株価も大幅な上昇が想定されます。 オーナー経営者の保有する自社株式もれっきとした相続財産です。 しかもそれが上場していない中小企業の株式の場合、重大な問題が生じてしまいます。 課された相続税の為に納税資金を準備しようにも未上場の中小企業の株式は上場株式とは違い市場で売却する事が不可能なのです。 つまり中小企業である同族会社のオーナー経営者が自社株を保有することは、換金性の全くない多額の相続財産をゆくゆく家族に相続させてしまうという結果を招いてしまうのです。 事業承継をスムーズに行う為にもいかにコストをかけずに事業を次世代に引継がせるか、すなわち株式を引継がせるかです。 そこで必要となるのが相続対策です。 自社株を相続財産として評価する際は、「一株当たりの評価額×株式数」で評価します。 相続対策とはこのいずれかの要素を相続開始時にいかに小さくするかをいいます。 一株当たりの評価額を小さくする為に会社の利益を調整する方法、あるいは相続時の保有株数を減らす為にあらかじめ生前贈与を行う方法が考えられます。 株価上昇が見込まれる会社の株式については、その株価の低いうちに相続時精算課税制度を選択し、将来的に相続税の計算の基礎に加算される株式の評価額を押さえる方法もあります。 相続税は会社を運営していく上では確かに身近な税金ではありません。 そんな何十年も先の事を考えるよりも会社の運営を考えることが先決でしょう。 しかしながら、裏を返せば相続対策も一朝一夕ではままなりません。 長期間に渡ってそれこそ何十年もかけて計画的に行うべきものなのです。 経営者の方にとって相続の発生は避けてはとおれないイベントです。 会社を運営するにあたって、その将来にあるのが事業承継の問題です。 誰に承継するのか、どの様に承継するのか、それまでに何をするのか。 一度気にされてみてはいかがでしょうか。 |
( 野 神 ) |
ペーパーレス(電子化)時代 |
明治時代から約130年にわたって、企業間取引の決済で主役を務めた「紙」の手形決済が、曲がり角を迎えています。 ~従来の手形と電子手形の違い~ |
( 水 谷 ) |
天眼通 |
多情佛心 昔、里見淳という小説家が主人公の慈愛遍歴の中に人間の真心が佛の心と同じ普遍的なものであるという小説の題名。 今、インターネット、情報紙などあらゆる多くの情報を集め、人間は所詮物と金に心を奪われる状況を「多情物心」という。 |