「士業界の世界」 |
私ども税理士をはじめとする「士業(さむらいぎょう)」には皆様ご存じのように弁護士、司法書士、社会保険労務士など様々なものがあります。 総務省から発表されているデータによると、これら資格を活かした法律系の事業所の数は全国に7万3千事務所あるといわれ、そのうち税理士事務所の数は2万8千事務所と全体の約4割を占めているとのこと。2位の弁護士事務所1万1千事務所と比較してもその数は圧倒的です。法律系の事務所の中では税理士が一番企業の身近な存在といわれるのがよくわかります。 ただし、有資格者の年齢構成が高いのも税理士業界の特徴です。60歳代以上が54%、40~50歳代が35%、20~30歳代が11%となっており、ここにも高齢化の波は進んでいます。当然、豊富な税務の知識や経験が必要な業界ではありますが、ここまで平均年齢が高い業種というのも珍しいと思います。 高齢の先生では、若手経営者との話がかみ合わない点が出てきてしまう可能性があることや、経営の悩みを相談しにくい、パソコンが使えない為に電子メールでのやり取りができないなどの話を聞くことがあります。 今の時代の税理士とは税務や会計だけでなく、様々な業種の最新情報や経済のトレンドを提供し、お客様の経営のお手伝いをするのが役割だと思っております。機動力と情報発信を活かし皆様をサポートして参りたいと思います。 |
( 安 達 ) |
「今は「無理」でも」 |
先日、スーツの修理をお願いするためにいつも服を買っているお店に行ってきました。 普段から、雑誌などで流行をおさえていないため、そういった機会に店員さんにその年の色や服装の流行を聞くのですが、春夏の流行は足元にソックス、それも色は白がお勧めですということでした。 知らないうちに、どうやら去年くらいから流行りはじめていたらしいのですが、話を聞くまで全く気付きませんでした。 聞いてからは、どこかで意識しているからか、足元にソックスを履いている女性を見かけることが増え、確かに流行っているのかもしれないと感じましたし、サンダルに合わせると可愛いですよ、と話してくれた店員さん自身もしており、なるほど、こういうのも「あり」なのか、とは思ったのですが、自分自身にどうなのかというと「無理」の一言に尽きてしまいます。 試着してみて似合わないから、ではなく、どうしても普段の自分はその服装は着たくない、という意味での「無理」です。 私に限らず、この他人がする分には構わないけれど、自分は「無理」というものは、服装だけでなく、食べ物、嗜好品、趣味など多岐にわたるのではないかと思います。 ちなみに、個人的に白ソックス自体は、例えばお茶などの習い事の際に、足袋がないときに代わりに、ということで履くことがないわけではないので、現時点では「無理」なのですが、もしかすると、切っ掛けさえあれば、これを普段の自分の服装に取り入れることができ、服装に広がりが出るかもしれません。 食べ物については、味覚の変化があるのか、年々、苦手な食材が減ってきて、食べる楽しみがより増して体重増加との戦いに日々励んでいるくらいです。 年を経ることに自分自身の「嗜好」や「価値観」は中々変わることが難しくなっているように感じますが、何かの切っ掛けでこれが変化すれば、物事のとらえ方が変わっていくことにもつながります。 そう考えれば、今からでも少しずつ色々なことに挑戦するのが楽しくなってくるのではないでしょうか。 |
( 石 川 ) |
「整頓されているから」 |
日本新聞協会が主催している「HAPPY NEWS 2014」の入賞作が4月6日に発表されました。この企画は、読んで幸せな気持ちになった新聞記事とその感想等のコメントを募集し、表彰する企画です。今回の「HAPPY NEWS 2014」の大賞に、南日本新聞(2014年10月9日朝刊「記者の目」)の記事にコメントを寄せた鹿児島県の女性が選ばれました。その記事の内容が非常に心を打たれて印象に残ったのでご紹介したいと思います。 ある高校生が家計を助けるため、ガソリンスタンドでアルバイトをしていました。ある会社の車が給油にきた時、彼は運転している社員に「おたくの会社は高卒の採用はないのですか。」と聞きました。後日、同じ会社の別の社員にも同じことを聞いたそうです。その話を社員から聞いた社長は、ほかの社員に頼み、なぜそのようなことを聞くのかその高校生に聞いてもらいました。すると高校生は、「どの社員の作業車も、道具類がいつも整頓されている。こんな先輩たちのいる会社で頑張りたい」と答えたそうです。 社長は、「高校生が車内の整理状況を見て、一生の仕事にわが社を選ぶなんて」と心を動かされました。「将来、会社を支える人材に育つのでは」と思い、当初高卒者の採用予定はありませんでしたが、急遽採用試験を実施しました。すると、彼は成績優秀で、親思いの優しい青年だったこともあり、即座に採用を内定しました。 社長は社員に「誰がどこを見て評価するか分からない。みんなが車内を整頓しているから、高校生に信頼された。」ということを話しました。 誰がどこを見て評価しているか分からない、これは顧客や取引先、さらには社内の従業員同士の間でも言えることと思います。この記事を読んだ後、自分はどうだろうかと考えさせられました。どんなに立派なことを言っていても、普段の何気ない行動を他の人が見たときにどう思われるかによって説得力も変わってくると思います。 顧客に対してだけではなく、社外、社内問わず全ての人に対して普段の行動1つで信頼を失うかチャンスを掴むかに大きく分かれていると深く考えさせられましたので、ご紹介させて頂きました。 |
( 茂 山 ) |