「マイナンバー制度についてどのように取り組むべきか」 |
マイナンバー制度が平成28年1月より開始するにあたり個人番号及び法人番号の通知がはじまりました。大阪府の場合ですと個人番号は10月下旬より、法人番号は11月下旬より、それぞれ番号が記載された通知カードの発送が開始されます。この制度についてやはり皆さまからのお声が多いのが「わが社ではどのように取り組めば良いのか」という疑問です。そこで、ポイントを5つにまとめましたので、一度以下に目を通してみて下さい。幾分か理解をすすめて頂けるはずです。 《① マイナンバーを取り扱う対象業務の洗い出し》 マイナンバーは税務分野と社会保険分野の業務でのみ使用されます。主な対象業務は以下のとおりです。企業がマイナンバーを使う場面はたったこれだけです。 ・年末調整、法定調書、給与支払報告書 ・健康保険・厚生年金関係事務 ・労働保険関係事務 《② マイナンバー収集対象者の確認》 ①のマイナンバー業務を実行するにあたりマイナンバーを取得しなければならない主な対象者を絞り込みます。主に以下のとおりです。特に法定調書に関わる支払い先は企業によっては多岐にわたるため、どのような方法で収集していくのかあらかじめ検討が必要です。 ・従業員、扶養親族 ・士業等、報酬の支払い先 ・地代家賃の支払い先 ・その他法定調書の種類に応じた支払い先 《③ 社内におけるマイナンバーの取り扱いの検討》 ①、②の洗い出しによりマイナンバーの取得から利用までの業務フローがなんとなくイメージされてくる事かと思います。マイナンバーを社内で誰が取得し、誰が業務に使用するのか、この過程でいかにマイナンバーの漏洩を防ぐかという意識を念頭に、社内での「本人確認の方法」、「基本方針の策定(社外へのアピール)」、「取扱規程や安全管理措置(社内の取扱ルール)の策定」に取り組んでいきます。 漏洩リスクを減らすためには極端ですが、「いかにマイナンバーを社内で持たないか」という方針も一つの方法です。その為にマイナンバー管理ソフトの導入を検討してみるのも良いかもしれません。 《④ マイナンバーの収集》 マイナンバーを預かる際には、利用目的の明示をする他に本人確認を行う必要があります。 本人確認には"身元確認(本人に間違いがないか)"と番号確認(その番号が本人のものか)"があります。基本的には"運転免許証"と"通知カード"の提示を受ける事となりますが、マイナンバーカードの提示があれば顔写真と番号がそれ1枚で明らかとなるので本人確認はそれのみで完結します。上記②の対象者からのマイナンバーの収集について、家賃の支払い先等、対面取得が困難な場合には、書面郵送による取得、メールによる取得等も認められています。 また、マイナンバーを対象者から預かるまでには上記③にてマイナンバーの取り扱い方法を明確化しておく事がポイントです。 《⑤ 委託先の監督》 マイナンバーに関する税務分野や社会保険分野の手続きを税理士や社会保険労務士へ依頼している場合はこれら外部にマイナンバーの提供を行う必要が生じます。 このような場合に預けたマイナンバーが税理士や社会保険労務士側で適切に取り扱われているかの監督義務が生じます。これら預けた先で安全管理措置を遵守させるため、マイナンバーを預ける前までに必要な契約を締結します。 以上からもマイナンバー制度は企業にとってメリットよりもやはり手間や紛失リスク等の負担が先行してしまう制度だと思います。 それでも法律上、マイナンバーを預からなければならない立場である以上は特に雇用されている業員様とそのご家族に迷惑が掛からない様、取扱い方法の準備をすすめて頂く必要性があるのではないでしょうか。 |
( 野 神 ) |
「保険の見直し」 |
今年も早いもので残りわずか2か月余りとなりました。そろそろ年末に近づいてきていますが、年末といえば年末調整の時期です。今年はマイナンバーの件もありますが生命保険等の控除証明書は例年通り皆様のお手元に届き始める時期ですので、ご準備の程よろしくお願い致します。 さて、今回は保険について少しお話したいと思います。 現在、既に何らかの生命保険や火災保険、地震保険に加入している方がほとんどだと思いますが、皆様はご自身が加入している保険契約の保障(補償)内容を把握されていますでしょうか? 先日、私事ですが自分自身の自動車保険の更新があったのですが、今までは「前回と同じ内容で更新」という流れで手続きをしていました。しかし今回他社の保険料や補償内容も色々見て比較した結果、他社に乗り換えて更新することにしました。その新契約の中で、歩行者との事故ではなく自身が歩行している際や自転車を乗車している際の事故の補償という特約があり、それまであまり詳しく契約内容を確認してなかった私は「こんな特約もあるのか」と恥ずかしながら少し驚きました。 このような細かい補償の特約を契約している場合、詳細な補償内容を把握していないと保険金を請求し忘れてしまうケースがあるのではないかと思いました。 生命保険でもそうですが、単純な死亡保険なら分かりやすいですが、それ以外の付随する細かい特約の契約内容を把握していないと、保険金請求できるケースをスルーしてしまうという事態も起こりうると思います。それは最も避けなければいけないことです。 保険に加入されている方は、今一度既契約の内容を再確認することをお勧めします。そして、契約内容を再確認したのであれば、もう1つご提案です。今の契約内容は、ご自身の収入やご家族の形態に見合っているでしょうか。お知り合いの保険会社の人などに頼まれて入ったケースなどでは、知らず知らずの内に必要以上に高額な保障額のものや不要な特約を契約されている場合があります。万が一の際の保障が大きいことはいいことですが、月々の保険料が支出を圧迫している場合は見直した方がいいかもしれません。ご自身の契約内容を確認すると、意外とそのようなケースは多いかもしれません。 弊社ではリスクマネジメント業務として、生命保険などの提案を法人、個人問わず行っております。自分自身に見合った保障額がわからない場合はお気軽に弊社の担当者にご相談ください。また、既契約の保障内容が気になる方や、保険に未加入の方で加入を検討されているお客様がいらっしゃれば、弊社の担当者に是非ご相談ください。弊社の立場上、クライアントの皆様の収入状況などを把握しているので、お客様それぞれに見合った保障額をご提案できることは強みであります。 年末調整のこの時期に、契約内容の再確認と見直しを検討されてはいかがでしょうか。 |
( 茂 山 ) |
「配偶者控除」 |
配偶者控除とは、配偶者の年間所得が38万円(給与収入が103万円)以下の場合、所得税で38万円、住民税で33万円を課税所得から差し引く、専業主婦やパートの配偶者がいる世帯の税の負担を軽減するものです。 配偶者の所得が38万円超から76万円未満の場合は段階的に控除額を減らす配偶者特別控除もあります。 政府の税制調査会は昨年、配偶者控除の見直しについて専業主婦らがいる世帯の所得税を軽くする配偶者控除は2017年にも改定する検討に入ったと発表しました。103万円の壁と言われるこの制度が女性の働く意欲をそぎ、給与収入を103万円以下にすることを意識して女性が就労時間を抑えるケースが多々ある為働きやすい制度に改め共働きの子育て世帯を後押しする為です。 現在の配偶者控除は約1400万人に適用されていると言います。新制度案は配偶者控除を廃止し配偶者の年収に関わりなく夫婦の所得から一定額を控除する夫婦控除が創設される見通しです。夫婦のどちらか収入の多い方から控除する事になりそうです。フルタイムで働く世帯にも適用され、就労時間を抑える必要は無くなります。 経営者の方も主婦は103万円以内で働く人と言う意識でいたかもしれませんがこれからそうではなくなるかもしれません。家族手当を支給している企業にも影響があることが考えられます。企業は配偶者のいる社員に家族手当を支給、その支給基準を年収103万円以下にしているところが多く、今後検討が必要になるかもしれません。 もし配偶者控除が改正されて103万円の壁がなくなったとしても、社会保険の扶養130万円の壁がある限り、共働きの障害がなくなるとは言えません。しかし、現在の政府は働く女性を増やして子育て世帯を支援するために様々な制度を根本から見直す方針です。今後の動向から働き方を考える必要がありそうです。 ※今回の内容は国会を通過するまでは正式な決定事項ではありませんのでご注意ください。 |
( 瓦 ) |