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和輪話(わ わ わ)

私たちがクライアント様向けに毎月発信している事務所レターです。
少しでも旬な情報をお届けできれば・・・と所員ひとりひとりがネタ探しに奔走!の毎日です。
お得&おもしろい情報があなたにも見つかるかも・・・一度、のぞいてみて下さい。

平成29年 4月号

「プレミアムフライデー」
「月末の金曜日」というと何を想像されますか?
締め切りや納期、ノルマ(業績)の達成状況の確認など忙しいイメージがあると思います。そんな月末の金曜日である2月24日からプレミアムフライデーという取り組みが始まりました。
※次回は3月31日です

「プレミアムフライデー」とは、アメリカの「ブラックフライデー」にならい、政府と経団連が連携して、月末の金曜日に早めに仕事を切り上げ、夕方からの買い物・外食・旅行・趣味などを楽しんでもらおうとする消費喚起策です。またこの取り組みを官民で連携し継続的なものにするため「プレミアムフライデー推進協議会」(https://premium-friday.go.jp/)なるものも設立されています。

具体的な取り組みとして
・飲食店:金曜日の営業時間及びメニューの見直し
・旅行会社:金曜午後発旅行プランの充実
・ホテル:プレミアムフライデーディナー・宿泊プランの実施
などが挙げられ、上記プランなどにはクーポン券や割引券などが進展されるものもあります。

またこの取り組みには企業が従業員に対して有給休暇の取得促進やフレックス制度の活動を促すことで長時間労働を減らす、所謂「働き方改革」も目的とされております。
経団連の新年祝賀会での安倍首相の「今年は働き方改革の断行の年だ。」という挨拶、世耕経済産業大臣の「政府としては、プレミアムフライデーの取り組みが単なる安売り日ではなく、デフレ的な傾向を変える、一つのきっかけになることを強く期待している」という会見から政府の本取り組みに対する意気込みが伺えます。

企業によっては、プレミアムフライデーは8時から13時までの勤務へ変更したり、支援金を従業員に支給したりとプレミアムフライデーを導入する企業も様々な取り組みを行っております。具体的な取り組み内容は上記プレミアムフライデー推進協議会のHPをご覧ください。

始まったばかりのプレミアムフライデー。問題点は数多く指摘もされ、様子見中の企業が多いのが現実で、将来性も未知数です。
ただし働き方改革を行い、既存の働き方を見直すのにはいい機会ではないでしょうか?
今後、政府のさらなる取り組みに期待したいところです。


 
( 真 下 )
「毎月分配型投資信託の分配金について」
3月は確定申告書を拝見する機会が多いのですが、今年拝見している中で銀行や証券会社にて毎月分配型投資信託を保有されているお客様が散見されました。
そこで、今回は投資信託の中で特に人気とされる毎月分配型投資信託の分配金について考えてみたいと思います。

そもそも投資信託とは「投資家から募った資金をまとめて、専門家が株式・債券等へ投資及び運用する商品で、運用成果が投資額に応じて分配される金融商品」です。その中でも毎月分配型投資信託は年金が2ヶ月に一度支給されるという現状を踏まえ、毎月収入を一定程度の収入を得たいというニーズ(セールス文句?)を捉えて残高を伸ばしてきました。

投資信託分配金の原資は①投資している金融商品の配当等収入(配当金や利息など)②投資している金融商品の売買益(有価証券等の売却益)③分配金準備積立金(投資信託の財産に蓄積されている積立金)④収益調整金(新たな投資家が購入することにより既存保有の投資家の分配が減らないよう調整するための項目)の4つです。

この中で①と②は当期の純粋な運用による収益ですが、③は過去に積み立てられた利益の取崩し④は元本取崩しに近い性格をもっています。
毎月実施されている分配が①②③④のどこからどの程度拠出されているか非常に気になるところかと思いますが、全て「運用報告書」にてご確認いただけます。

「運用報告書」で分配金の原資に係る要因をご確認いただけるのが、損益の状況という部分です。運用会社によって形式はまちまちですが、「配当等収益」という部分が①に該当します。次に「有価証券売買損益」という部分が②に該当します。更に、「前期繰越損益金」が③、「追加信託差損益金」が④に該当します。
分配金の原資が①のみで賄われている投資信託ほど余裕をもって分配を実施している状況が伺えます。①②で分配金が賄われている投資信託も当期の運用収益のみから分配を実施しているため、来期以降当期と同様の運用が行えれば分配額が維持されると考えられます。しかし、③や④を取り崩して分配を実施している投資信託は、無理をして分配をしている状況下にあると推察されるため、今後の運用状況によっては減配の可能性があると考えられます。

どの投資信託を選んだらいいのかという指標として、どうしても高い分配金に目がいきがちですが、最近では①や②の範囲内で分配が行われているかという「分配金の健全性」・「分配金余力」が着目されるようになっています。
「運用報告書」は企業の決算と同じく投資信託の貸借対照表と損益計算書や当期運用の振返り等が記載されている冊子ですが、頁数が多いことや専門用語が多いことなどから目を通されるお客様は少ないと思います。しかし、運用成果が確認できるとともに、当期の運用分析や今後の見通しは今後の投資についての参考となります。
投資信託をお持ちの方は是非一度「運用報告書」をご覧いただき、投資の再点検を行なってみてはいかがでしょうか。


( 長 田 )
「ビジネス環境ランキング」
まだまだ朝夕と肌寒い日が続いておりますが、日中は少しずつ暖かくなりもうすぐ春が訪れようとしています。
はじめまして、昨年の12月に入社いたしました倉田と申します。至らない点も多くご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、日々努力して参りますので今後ともどうぞよろしくお願い致します。

さて、今回は、先日ふと目にした書籍にビジネス環境の整備について記載されていたことから、世界の国・地域のビジネス環境ランキングについてお話しさせていただきたいと思います。
ビジネス環境ランキングとは、世界銀行が世界の国・地域を対象に企業活動に影響を及ぼす規則や制度を比較評価し順位づけした年次報告書のことです。行政手続きの数やそれに対処する時間、手数料等の費用、法制度の整備といった内容を基にランキング付けが行われています。個別の指標としては、事業設立、建設許可取得、電力事情、不動産登記、資金調達、少数投資家保護、納税、貿易、契約執行、破綻処理の10項目から構成されています。

昨年の10月に発表された2017年度のランキング(対象190カ国・地域)では、我が国は34位であり、前回のランキング(対象189カ国・地域:日本は全体で29位)より順位を下げてしまいました。安倍政権は、2020年までにこのランキングで我が国を先進国で3位以内にすると成長戦略で盛り込んでいますが、現状ではまだまだ改善しなければいけない項目が多いようです。それでは、どのような項目を改善すれば、我が国のランキングは改善されるのでしょうか。
        
日本のランキングが低い原因を探ると、事業設立(89位)、資金調達(82位)、納税(70位)に原因があることがわかりました。事業設立に関しては、起業時に発生する手続き数がランキング上位国と比べると相対的に多く(8つ)、またオンライン処理の統一性が十分ではない点等が挙げられています。

この項目及び全体のランキングで1位であるニュージーランドをみてみると、手続き数は1つで手続き時間は何と半日ですむようになっています。資金調達については、我が国では大規模な金融緩和が続いているにもかかわらず、金融制度的な側面、具体的には貸し手側と借り手側の権利関係の課題、担保を持つ債権者が事業清算時に優先的に弁済を受けられないこと、また借り手の信用力の評価に際して信用情報が適正に提供されていないといった点が課題として指摘されています。

納税については、従来、我が国では、個別指標のランキングで最も低い項目であり前回は122位でしたが、今回は70位ということで改善にむかっています。これは手続きのオンライン化、それに伴う手続き時間(書類作成から納税まで)の短縮によるものです。手続き時間に関しては、2011年の355時間から2017年度では175時間と大幅に改善されています(なお、手続き時間で一位のルクセンブルグは、その時間はわずか55時間となっています)。一方で、会計基準や法人税法等が複雑なこと、申告書の記入の難しさ、法人の実効税率の高さなどの課題が未だ存在しています。

以上のような課題を改善しつつ、その他の項目でも高順位を獲得しなければ、安倍政権が掲げる3位という順位は到底達成できません。もちろん、各国も企業誘致のために様々な改革を実施しているので、我が国は相当なスピード感で対応する必要があります。
我が国には、このランキングでは考慮されていない、治安の良さ、生活のしやすさ、勤勉な国民性など、他国に負けない良い項目が多くあります。魅力ある国づくりとビジネス環境の整備。これからのビジネス環境整備にさらなる付加価値をつけ、遠くない未来に我が国のビジネス環境が世界から注目されるようになることを期待したいと思います。


( 倉 田 )

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