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和輪話(わ わ わ)

私たちがクライアント様向けに毎月発信している事務所レターです。
少しでも旬な情報をお届けできれば・・・と所員ひとりひとりがネタ探しに奔走!の毎日です。
お得&おもしろい情報があなたにも見つかるかも・・・一度、のぞいてみて下さい。

令和2年 10月号

「特例措置対象事業場について」

 少し前にお客様から頂いた質問で「うちって週44時間まで働いても大丈夫な会社って見たんですが間違いないですか?」というものがありました。どこかのWEBサイトで見たものの、 その情報が正しいのか、自社に当てはまるものなのか、実際に運用を始めてから間違いがあると大変なことなので確認をいただけたようです。

 ご質問をいただいた制度は労働基準法40条に「労働時間及び休憩の特例」として定められているものの1つで、次の表に該当する事業(会社ではなく店舗等の場所単位) で常時10人未満の労働者を使用する場合は例外的に法定労働時間を週44時間、1日8時間とするというものです。

 商業   卸売業、小売業、理美容業、倉庫業、その他の商業 
 映画・演劇業   映画の映写、演劇、その他興業の事業 
 保健衛生業   病院、診療所、社会福祉施設、浴場業、その他の保健衛生業 
 接客娯楽業   旅館、飲食店、ゴルフ場、公園・遊園地、その他の接客娯楽業 
 
※徳島労働局HPより


 注意点は週が44時間になっているだけで1日は8時間であること、変形労働時間制を併用する場合は1カ月単位の変形労働時間制と清算期間が1か月以内のフレックスタイム制のみ併用可能ということです。営業時間が長いお店などであれば、これらを組み合わせることで労使の希望に沿ったシフトが組みやすくなるかもしれませんが、変形労働時間制には就業規則に定めるなど別の要件がありますのでご注意ください。

 最後に、この特例についての解説は、残業代を論点とするものが非常に多いです。もちろん払う義務のない残業代は支払わなくて良いと思いますが、この制度だけでなく40条の特例は「公衆の不便を避けるため」を趣旨として定められており、例えば警察官や消防官が休憩の自由利用を制限されているものなどがあります(緊急出動に対応するため)。労使問題がデリケートな昨今ですから、あらぬ誤解を招かないよう運用する必要があります。      
( 大 瀬 )
「防災への意識」

 つい先日、大阪では880万人訓練として無線放送による注意喚起やエリアメールの発信などにより、 災害時にどう行動するかについての意識を促す活動が行われました。 昨今は新型コロナウイルスの流行とともに、台風や突発的な大雨などの自然災害に見舞われる場面が多いように思います。

 そのため、災害時の備えについて考えながらテレビで避難訓練などが行われている様子を見ていたところ、 あるものが使われていないことに驚きました。それは「防災頭巾」です。
 「防災頭巾」とは災害時において頭を保護するために被る簡易カバーであり、主に小学校で使っていました。 よくよく調べてみると「防災頭巾」を使用するのは東海圏~関東圏の地域だけであり、全国的に利用しているものではないようです。 この「防災頭巾」は普段椅子の座布団として使っているのですが、避難の際には頭に被って避難行動をとり、被ったまま全校生徒が校庭に整列していました。

 私は静岡県出身のため、幼少期から東海大地震と富士山の噴火はいつ発生してもおかしくない状況であり、 災害時の備えをするようにと言われて育ってきました。従って、災害に対する意識は地域柄、 高かったように思います。学生時代は避難訓練の実施頻度も高く、地震が起きたら机の下に隠れる ・火災発生時はハンカチを口と鼻に当てて避難する・「おかし」(「お」さない、「か」けない、「し」ゃべらない)を意識して避難するなど、 特に小学生の頃は口酸っぱく言われました。町内会でもバケツリレーはよくやりましたし、 空気が乾燥して火事が起きやすい冬において、火の用心の見回りも住民同士が交代でよく実施していた思い出があります。
 そんな環境で育ったため、今でも引越しの際に一番に行なう作業が、 タンスや食器棚やテレビ等重い家具の固定と災害時避難場所の家族間共有です。 静岡県では小規模の地震が頻繁に起こることから、特に地震への備えについては重点を置いている気がします。

 今回の台風や大雨の避難については三密を回避するため、普段以上に難しかったとの報道もありました。 今一度、被災時にどのように行動するか、どのような備えが必要かを考えてみることが重要なのかもしれません。
( 長 田 )
「ベーシックインカム」

 最近コロナの影響により日本に於いてもこの言葉を耳にする機会が増えていますが、みなさんは具体的な内容や世界での現状をご存じでしょうか?
ベーシックインカムとは最低限所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を定期的に支給するという政策で、 生活保護や失業保険の一部扶助、医療扶助、子育て養育給付などのかたちですでに多くの国で実施されている個別対策的な保証を一元化し、包括的な国民生活の最低限度の収入を保障することを目的とされています。
 フィンランドにて2年程前までの2年間、給付実験が行われました。失業手当受給者から学生などを除き、 ランダムに2000人を選び、月額560ユーロ(約7万円)を給付。失業手当の場合は、職を探していることが条件で、 収入がある場合にはその額に応じて減額されますが、実験対象者には2年の間、そのような条件や減額措置はなく支給されました。
 結果として、まず雇用については給付対象者は対象者以外に比べて、働いた日数はわずかに多いが、稼いだ額はわずかに少ない。いずれも統計的には有意な差はなく、給付は雇用には変化をもたらさなかったと結論づけられています。続いて健康については肯定的に答えた割合が給付対象者で56%なのに対し、対象者以外では46%、 ストレスについても全く感じないかあまり感じないと答えた割合が給付対象者で55%だったのに対し、対象者以外では46%となりました。

 これらを踏まえて、主観的な幸福度に効果があったと結論づけられています。
これまでにも類似の実験があちこちで行われており、1960年代の終わりから70年代にかけてアメリカやカナダ、今世紀に入ってからは、ブラジル、インド等で実施されてきました。

 新しい社会政策の導入が検討される場合に、社会実験という形がとられることはあまりないのですが、これだけ実験がくりかえされてきたのには、「何の条件も課さずに給付を行えば、誰も働かなくなるのではないか」という疑念が繰り返し表明されてきたからでしたが、この点に関して言えば、今回の実験結果で、ベーシックインカムによって人びとが働かなくなることはなさそうだ、と言えるということになります。
上記の過去の実験のうちアメリカで行われたものは、部分的な負の所得税という実験でした。これは、稼得所得が一定以下の場合は、税率を負とするという考え方です。つまり税という名称ではありますが、所得により国から個人または世帯への給付となる考え方です。

 この様に、世界では様々な方法で何年も前から時間をかけて実験が行われていますが、日本でも少子高齢化問題や機械化による労働市場の減少等、今後に備えて導入していこうという声が上がってきています。
みなさんは今後の日本について、また自身や自身の家族の未来についてどう感じどう行動されているでしょうか?コロナ禍で進められている"新しい生活様式"と合わせ、今後について考えるきっかけにして頂けたらと思います。  
( 岩 﨑 )

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