税制の側面からの経済政策 |
公園や庭の木々の若葉が目にしみる季節になりました。 街では新入社員や新入学生が新たな希望や夢を抱き様々な目標に向かって頑張っています。 経済では、リーマンショック以降の未曾有の世界的な経済不況の下、 我々企業経営者は今までに経験したことの無い経営を強いられています。 政府は緊急経済支援策として、20兆円の支援策を発表し、資金面においては、 昨年末からセーフティーネットによる緊急融資が実施され、中小企業の資金を支援しました。 しかし、実体経済は、まだ明るい材料に乏しく、自動車や家電を中心とした産業の回復は遅く、 中小企業の売上は特に製造業を中心に低迷が続いています。 大手企業は産業再生法に基づき公的資金が活用されるが、中小企業は、前述の融資や緊急雇用対策による休業補償程度に留まります。 21年の税制改正においては、法人税については、軽減税率を22%から18%に軽減、欠損金の繰戻し還付制度の復活があります。 特に前期に黒字であった企業が当期に欠損になった場合、前期の法人税の繰戻し還付を受けることができるようになりました。 それも2月決算法人から適用できるのは今までに無い対応の早さだと思います。 住宅税制においては、住宅ローン減税の適用期限を5年間延長。 最大控除可能額を500万円(長期優良住宅の場合には600万円) に引上げや自己資金で長期優良住宅の新築等をする場合や省エネ及びバリアフリー改修を行う場合の税額控除制度を創設です。 自動車関連ではエコカー減税が実施され取得税や重量税の減免が実施されています。 また補正予算案では家電製品の省エネ商品の購入に対する国からのポイント還元策や13年超の古い車を廃車してエコカーを購入する者に対する補助金等が含まれています。 税制からの経済支援は産業別では、自動車、家電、建築等に対するものに重点が置かれているように思います。 この様な経済支援策により景気が刺激されいち早く景気が回復することを願っています。 |
( 福 田 ) |
顧客のニーズの追及とは | ||||||
売れなかった商品についての反省をすると「顧客のニーズがなかった」
などの言葉が出てくると思います。 逆によく売れた商品では顧客ニーズをつかんだと胸を張るでしょう。 しかし、安易にこの「ニーズ」というよく分からない言葉を使っていますが、そもそもニーズとはどういう意味なのでしょうか? 先日読んだ本(『マーケティングは他社の強みを捨てることから始まる』 森本尚樹著 明日香出版社) の中に面白い記述がありました。 「昨年、4分の1インチ・ドリルが100万個売れたが、これは、人々が4分の1インチ・ドリルを欲したからではなくて、 4分の1インチの穴を欲したからである。人は製品を買うのではない。製品のもたらす恩恵の期待を買うのである。」 これは、元ハーバード大学教授のセオドア・レビットという方の言葉で、「○○を望むから□□を買う」 という行動があるとすると○○がニーズであり、結果として購買(□□)が発生するという考え方を示したものです。 私たちの周りでは1つのヒット商品が誕生するとそのコピー商品が出回り、つい□□の部分に着目してしまいがちですが、 本来の顧客ニーズを検討し売れる商品やサービスを追求していくのであれば○○の部分を深く追求しなくてはなりません。 そして、この顧客ニーズの追及には「さらなる顧客欲求を満たす」という事だけをテーマとするのではなく、場合によっては 「捨てること」をテーマとする事もあります。 前述の書籍から一部紹介すると
という例があります。 当然ですが単純に捨てるだけでなく、 捨てたことを別のものに置き換えて商品に反映させていることが重要なポイントです。 例えばパナソニックのジョーバであれば「自分が動いて運動する」を「機械が動くことで運動効果を得る」 に置き換えることができたので「自分で動くこと」を捨てています。 そして、捨てたことによって従来発想では存在しなかった「体に負担をかけない運動」という新しい商品能力を手にいれ、 健康不安のある方や年配の方を新たな客層としてターゲットにすることができました。 捨てることによって新境地を切り開いたといったところでしょうか。 私どもは仕事柄「捨てること」というとピンとこないのが実感ですが、営んでいる商売によっては「捨てる発想」 が大切な場合もあると思います。 読み聞きすれば当たり前の事と感じられるかもしれませんが、 日常業務などで当たり前のように行ってしまっている業務があれば、 この考え方を当てはめることによって今まで見えていなかったアイデアが見つかるかもしれません。 些細な情報ですが、少しでも皆様の役に立てればと思い紹介させていただきました。 |
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( 大 瀬 ) |
デューデリジェンス |
世の中には『デューデリジェンス』とう言葉があります。 英語の『Due(正当な・当然の)』と『Diligence(努力・勤勉・注意)』 とを組み合わせた元々はアメリカの法律用語です。 皆さんは株や投資信託、為替にしても投資を行う際にはその投資対象をくまなく下調べする事かと思います。 まさにその下調べが『デューデリジェンス』です。 直訳すると『投資者が当然に払うべき注意』とでもいいましょうか。 私共の業務でも主にM&A業務の際にこの『デューデリジェンス』という言葉を使用します。 売り手側や買い手側の双方にとって、果たしてこのM& Aを進めて良いのかどうかの意思決定を行う為の企業調査を総称してこう呼びます。 例えば『財務デューデリジェンス』と呼ばれる財務調査ではその企業に粉飾リスクは無いか、 財務諸表に表れていないリスクは無いか等、財務状況を第三者の公正な目で詳細に調査します。 この他にも『法務デューデリジェンス』や『税務デューデリジェンス』等、その対象に応じたデューデリジェンスが存在します。 会計事務所に勤めておりますと、このデューデリを何かに応用できないかと考えてしまいます。 そこで世の経理担当者様にご提案があります。 是非自社の月々の試算表や決算書のデューデリを行ってみて下さい。 とは言いましても難しく考えていただく必要はありません。 キーワードは『第三者の目』です。 企業の決算書は金融機関や税務署等、必ず第三者の目に触れることとなります。 これら第三者の目になって自社の決算書を見てみると思いのほか決算書から色々見えてくるものです。 「異常な入出金はないかどうか」「この仮払金に資産性はあるのかどうか」「自己資本比率の変動はどの様な原因なのか」等、 気付いた点をあらかじめ改善する意識により、新たな自社へのご提案につながるかもしれません。 |
( 野 神 ) |
天眼通(てんげんつう) |
イチロウ 世間を賑わしたねえ-WBCファン -政界事情通 タロウ 影が薄くなったねえ-竜宮城童話 -自民党支持率 イチタロウ パソコンではすっかり忘れ去られました |
続きを読む 平成21年5月号